2011年8月24日水曜日

読書会『赤と黒』

8月22日(月)第7回読書会開催。
映像アーチストMさん宅にて。
Mさんはバリ島帰り、多忙な中、司会も場所提供もしてくださり、感謝。

お題は、スタンダール『赤と黒』。
バリバリ古典ですが、ものすごく面白かった。
またまた一人で読むのとは違う、重層的読書ができた。
Tさんの真摯な本との向き合い方、その丁寧さはすごい。
Mさんの時代と地域への広い視点、あっと思う。

この『赤と黒』の主人公のジュリアンは、何者かになりそうで結局何物にもならなかった、
19世紀フランス青年。下層階級出身で、上流社会にある権力を志向、野心たっぷりにラテン語や聖書の勉強をし、ナポレオンへひそかに傾倒し、有力者子弟の家庭教師をし、その夫人と不倫、追放され神学校入学、出世してパリの貴族の事務官、そこの令嬢との野心に満ちた恋愛と、右往左往渡り歩き、感情的にもあり得ないくらいのアップダウン。

とにかく濃いかったです。
この感情の幅の広さ、細やかさ、繊細さといったらもう!
そして恋愛小説と思っていたら、全然ちがって、青年の野心というか野望の物語。

この小説のどこかに、「いい本を読むことは一つの事件である」という言葉があったが、
まさにそのとおり、この『赤と黒』の読書体験は、わたしの今年の一大事件。





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